『初心者に向けた発信が多い理由』

さいたま~都内を中心に、バンド形式のコピー・セッションやライブイベントを開催するコミュニティ「ライブワゴンミュージック」です。

自分の発信を振り返ってみると、初心者や、これからバンドを始めたい人に向けた話が多いという自覚はあります。

ただ、初心者をたくさん集めたいからそうしている、というわけではありません。

むしろその裏には、経験者やベテランの人たちが、どうすればこれからも音楽を楽しんでいけるのか、という視点もあります。

初心者と経験者を分けたいわけでもありません。
レベルによって何かを分類したいわけでもありません。
むしろ、いろいろな経験の人が同じ場所にいることに意味があると思っています。

例えば、何十年も音楽をやってきた人にとって、ライブとは何だろうと考えてみます。

もちろん、もっと上手くなりたい、もっといい演奏をしたいという気持ちはあると思います。
でも、それだけではないはずです。

自分たちの演奏を誰かに見てもらいたい。
何かを感じてもらいたい。
「良かった」「楽しかった」「感動した」と言ってもらいたい。

長く音楽を続けている人ほど、そういう瞬間が音楽を続ける理由の一つになっているのではないかと思います。

そこで、ちょっと極端な例を考えてみます。

経験豊富な人たちばかりが集まるライブ。
ステージではものすごく上手い演奏をしている。でも演奏している本人たちはどこか淡々としている。
客席にも経験者が多く、みんな腕を組んで真剣に演奏を見ている。
ライブが終われば「あそこを間違えた」「もっとこうすればよかった」と反省点の話になる。

もちろん、そういう楽しみ方もひとつ。

一方で、客席に音楽を始めたばかりの人や、これからバンドをやってみたい人がたくさんいるライブだったらどうでしょう。

「すごいな」
「自分もいつかあそこでやってみたい」
「あの曲、カッコよかった」
「今日のライブを見て、自分もバンドをやりたくなった」

そんな反応が返ってくるかもしれません。

演奏する側にとって、どちらが楽しいのか。

自分は、後者のような楽しさも、もっとあっていいと思っています。

初心者が経験者から刺激を受けるのは、わかりやすい話です。
でも実は逆もある。

始めたばかりの人が楽しそうに音を出している姿を見たり、自分たちの演奏を純粋に楽しんでくれたり、「あんなふうに演奏してみたい」と言ってくれたりする。

それは経験者にとっても、かなり嬉しいことだと思うんです。

だから初心者に向けた発信が多いのは、初心者だけのためではありません。

初心者も、少し慣れてきた人も、何十年も音楽を続けてきた人もいる。
演奏する人もいれば、まだ演奏せずに見ている人もいる。

いろいろな人が同じ場所にいるからこそ、音楽を通じてさまざまな反応が生まれます。

このコミュニティも、上手い人だけが集まる場所でも、初心者だけが集まる場所でもありません。

誰かにとっての「初めて」が、別の誰かに新しい刺激を与えることもある。
経験者の演奏を見て「自分もやってみたい」と思う人がいて、その反応がまた、演奏した人にとって次の楽しみにつながっていく。

そんなふうに、経験や上手さに関係なく、お互いがそれぞれの形で刺激を受けたり、楽しさをもらったりできる。

そういう循環が生まれることも、いろいろな人が一緒に音楽を楽しむコミュニティの面白さなのだと思います。