『人が集まることで、音楽の輪は広がっていく』

さいたま~都内を中心に、バンド形式のコピー・セッションやライブイベントを開催するコミュニティ「ライブワゴンミュージック」です。

最近、HIP LAND MUSICの野村達矢さんの話をYouTubeで見ました。

学生時代、まだ自分で会社をやっていたわけでも、音楽業界で仕事をしていたわけでもない頃に、学園祭に仲井戸麗市さんを呼んでライブを企画したという話です。

その話を聞いていて、何か自分の中で共感するものがありました。

もちろん、音楽業界のプロの話と、自分がやっている小さなコミュニティの活動を同じように考えているわけではありません。

ただ、音楽の楽しみ方というのは、自分が演奏することだけではないんだなと、最近あらためて感じています。

自分はもともと演奏することが好きです。

今でもバンドで演奏したいし、ライブにも出たい。それはたぶんこれからも変わりません。

でも、このコミュニティを続けているうちに、人の演奏を聴くことも以前より楽しくなりました。

セッションで初めて人前で演奏する人がいたり、以前参加したときより明らかに上手くなっている人がいたり、たまたま集まったメンバーの演奏が思いのほか良かったり。

自分が演奏していなくても、「いいな」と思える瞬間が結構あります。

そしてもう一つ、最近感じているのが、やりたいと思っている人が参加できる状況をつくることの面白さです。

たとえば今、年末の「なんでもセッション」を企画しています。

予想以上に申し込みがあり、ボーカル希望者がかなりの人数になりました。

普通に考えれば「定員なのでここまで」と締め切れば済む話です。実際、これまでならそうしていたと思います。

ただ今回は、せっかくこれだけ参加したいという人がいるなら、できるだけ参加できる方法はないかな、と考えてみました。

もちろん全員が同じ曲数を演奏できるわけではありません。

早く申し込んだ人を優先しながら、後から申し込んだ人も、たとえば1曲なら参加できるかもしれない。人数が増えて長時間になるなら、曲順を工夫して、一人ひとりの演奏をなるべく3時間くらいの中にまとめることもできるかもしれない。

途中から来てもいいし、自分の演奏が終わったら帰ってもいい。逆に、そのまま残って他の人の演奏を見たり、話をしたりしてもいい。

今回は、そんなやり方を試してみてもいいのかなと思っています。

別に交流を強制したいわけではありません。

演奏だけして帰りたい人はそれでいいし、誰かと話したい人は話せばいい。演奏しなくても、ちょっと見に来たいという人がいてもいいと思っています。

ただ、人が集まれば、それだけ接点は増えます。

一緒に演奏したことがきっかけで話をするかもしれないし、好きな音楽が近いことが分かるかもしれない。そこから「今度一緒に何かやりましょう」という話になることもあるかもしれません。

実際、このコミュニティでも、そうやって期間限定のバンドがいくつか生まれています。

その先に何が生まれるのかは、わかりません。

でも、それは最初からわからなくていいと思っています。

このコミュニティを始めた頃から、主催者が前に出て、何もかも決めたり動かしたりするような場にはしたくないという気持ちがありました。

人が集まる場所があって、そこで音を合わせたり、人の演奏を聴いたり、誰かと知り合ったりする。

そこから何か始まれば面白いし、何も始まらなくても、その日楽しく演奏できたなら、それはそれでいい。

このコミュニティが、そんな音楽の「ハブ」や「起点」のような場所になれば、それも一つの役割なのかもしれません。

自分で演奏する楽しさ。

人の演奏を聴く楽しさ。

そして、誰かが音楽を楽しめる場をつくる楽しさ。

最近は、この三つが少しずつ自分の中で重なってきたような気がしています。