『初心者グループから、次のバンド活動へ』

さいたま~都内を中心に、バンド形式のコピー・セッションやライブイベントを開催するコミュニティ「ライブワゴンミュージック」です。

コミュニティでは、これまで初心者の方やブランクのある方が、バンド演奏を体験できるような機会をいくつか作ってきました。

最初にそうしたグループを作った時に、一番大事にしていたのは、音楽の好みや方向性を細かく合わせることではありませんでした。

まずは、人と一緒に音を出してみること。
スタジオで合わせてみること。
バンドという形を、一度体験してみること。

そこを優先していました。

初心者同士であれば、好きな音楽も違いますし、できることも違います。
誰かが歌いたい曲、誰かが弾いてみたい曲、誰かが知っている曲。
そういうものを持ち寄りながら、まずは音を出してみる。

そこには、最初の一歩としての大きな意味があったと思います。

一方で、コミュニティの中には、期間限定で組むバンドもあります。

こちらは少し性質が違います。

たとえば、ある発表やミニライブに向けて、このメンバーで、この曲をやってみよう、という形です。
最初から一つの目標があり、その発表に向けて何度か練習して、本番を迎える。

そして、その発表が終われば、いったんそこで区切りになります。

もちろん、その後も続けたいと思えば続けてもいいのですが、基本的には「この本番に向けた期間限定のバンド」という考え方です。

それに対して、初心者の方を中心にしたグループの場合は、最初の目的が「まず音を出してみること」でした。

そのため、音楽的な好みや方向性がぴったり合っているとは限りません。
技術的な差もありますし、やりたい曲も人によって違います。

それでも、最初に一緒に音を出す経験としては、それでよかったと思っています。

ただ、一度バンドで音を出す経験をした後は、少しずつ次のことを考えてみてもいいのかもしれません。

自分はどんな曲を歌いたいのか。
どんな音楽を演奏してみたいのか。
どんな雰囲気のバンドをやってみたいのか。

そして、できれば、自分と近い音楽の好みを持っている人と一緒に演奏することも、少し意識してみるとよいのではないかと思っています。

たとえば、邦楽が好きなのか、洋楽が好きなのか。
歌謡曲寄りなのか、ロック寄りなのか、ポップス寄りなのか。
古い曲が好きなのか、新しめの曲が好きなのか。

もちろん、全員の趣味が完全に一致する必要はありません。

少し違う好みの人がいることで、新しい曲を知ることもあります。
自分では選ばなかった曲を演奏することで、面白さに気づくこともあります。

ただ、バンドとして人前で演奏することを考えると、あまりに選曲の方向性がバラバラだと、聴いている方が受け取りづらくなることがあります。

演奏する側は一曲一曲に思い入れがあっても、聴いている側からすると、「このバンドはどういう雰囲気なんだろう」と少し分かりにくくなることがあります。

これは、上手い下手だけの話ではありません。

初心者でも、ブランクがあっても、そのバンドなりの雰囲気や方向性が少し見えてくると、聴く側も自然に楽しみやすくなります。

逆に、曲ごとにあまりにも方向が変わりすぎると、演奏している本人たちは楽しくても、聴いている人には少し伝わりにくくなることがあります。

だからといって、今あるグループや活動を否定したいわけではありません。

一度一緒に音を出した仲間と、そのまま続けていきたいと思うのは自然なことです。
それはそれで、とても大事なつながりだと思います。

ただ、それと同時に、一度経験したからこそ、次はもう少し自分のやりたい音楽に近い形を探してみる。
自分と近い好みの人に声をかけてみる。
同じメンバーで続けるとしても、選曲の方向性を少し考えてみる。

そういう動き方もあってよいのではないかと思っています。

最初の一歩としてのグループには、大きな意味があります。

まずは音を出してみる。
人と合わせてみる。
バンドという形を体験してみる。

そこを経験したからこそ、次は「自分は何をやりたいのか」「どんな音楽を誰と演奏したいのか」を少し考えてみる段階に入ってもいいのかもしれません。

これは、何かを決めつけたいわけではありません。
続けるのもよいですし、一区切りにするのもよいと思います。
同じメンバーで続けるのも、別の形で動いてみるのも、それぞれの考え方でよいと思っています。

ただ、バンドというものは、音楽の好みや方向性が少し重なってくると、やはりまとまりやすくなります。
演奏する側も楽しくなりますし、聴く側にも伝わりやすくなります。

最初の一歩としてのグループ。
発表に向けた期間限定のバンド。
そして、その先に自分たちで作っていくバンド。

それぞれに意味があると思っています。

コミュニティは、初心者の方やブランクのある方が、まず一歩を踏み出せる場所でもありたいと思っています。

同時に、その一歩を経験した後に、自分の好きな音楽、自分がやってみたい曲、自分と近い好みを持つ人とのつながりを見つけていく場所にもなればいいなと思っています。

最初は、誰かが用意したきっかけでもいい。

でも、その先で少しずつ、自分で考え、自分で動いてみる。
そこからまた、新しいバンドや新しい音楽の楽しみ方が生まれていくのではないかと思っています。