『その場にいることでしか受け取れないもの』

さいたま~都内を中心に、バンド形式のコピー・セッションやライブイベントを開催するコミュニティ「ライブワゴンミュージック」です。

セッションで得られるものは、演奏の経験だけではありません。
その場にいたからこそ残る、思い出のようなものもあります。

5月にJ-POP/J-ROCKセッションを行いましたが、今も自分の中に強く残っている演奏があります。
それは、ある方が歌った「カブトムシ」です。

もちろん「カブトムシ」はaikoの曲ですし、原曲の素晴らしさがあるのは当然です。
でも、今の自分の中に残っているのは、あの日のセッションで、その方が歌っていた姿や歌声です。

あの場で聴いた歌が、自分の中のどこかに触れたのだと思います。
だから今の自分にとっての「カブトムシ」は、aikoの曲であると同時に、あの日その方が歌っていた「カブトムシ」としても記憶に残っています。

こういう感覚は、少し伝わりにくいかもしれません。
でも、セッションにはそういう瞬間がある。

コピーやカバーであっても、その場で誰かが歌い、演奏することで、原曲とはまた違う形で心を動かされることがあります。
完璧かどうか、上手いかどうかだけではなく、その人がその曲を演奏したということ自体が、誰かの記憶に残ることがあります。

そして、そういう瞬間は、その場に居合わせないと受け取ることができません。

演奏することはもちろん大切です。
でも、それだけではなく、参加すること、その場にいることにも大きな意味があります。

自分が演奏した曲だけでなく、誰かの演奏を聴いたこと。
その場の空気を感じたこと。
「あの人のあの曲、よかったな」と後から思い出すこと。

そういう一つひとつが、セッションで得られる大切なものなのだと思います。

セッションは、曲を合わせる場であると同時に、誰かの演奏が誰かの思い出になる場でもあります。
その場に参加した人だけが持ち帰れるものがある。
それが、セッションの大きな魅力の一つだと思います。