『YOASOBIプロジェクト始動!|5曲合わせて見えてきた、全パートの難しさ(その3)』
さいたま~都内を中心に、バンド形式のコピー・セッションやライブイベントを開催するコミュニティ「ライブワゴンミュージック」です。
4月26日、YOASOBIプロジェクトの2回目の練習を行いました。
前回は「夜に駆ける」「勇者」「群青」の3曲でしたが、今回は新たに「セブンティーン」と「怪物」を加え、演奏予定の全5曲を練習しました。
これでひとまず、今回予定している曲すべてに触れたことになります。
その1では、このプロジェクトが始まったことについて書きました。
その2では、「夜に駆ける」という曲の難しさについて書きました。
今回は、5曲を実際に合わせてみて感じた、YOASOBIという音楽全体の難しさについて書いてみたいと思います。
まず感じたのは、どの曲もとにかく情報量が多いということです。
テンポが速い。
コードの動きが多い。
曲の展開が細かい。
音の重なり方も複雑。
聴いているだけだと、ポップで勢いがあって、自然に耳に入ってくる音楽です。
でも、演奏する側に回ると、その裏側にかなり細かい設計があることが分かります。
私はギターを担当しています。
ただ、YOASOBIの曲におけるギターは、全パートの中で見ると、むしろ一番出番が少ないパートかもしれません。
もちろん簡単という意味ではありません。
テンポも速く、コードの動きも細かく、音色作りも難しいです。
ただ、ドラム、ベース、キーボード、ボーカルに比べると、ギターは全体の中で担う音の量は少ないと思います。
その分、ギターとして何を弾くかだけではなく、バンド全体として足りない音をどう補うかを考える必要があります。
特にYOASOBIの曲は、原曲にピアノ、シンセ、効果音、細かいフレーズ、低音の補強など、さまざまな音が重なっています。
5人の生演奏だけで、それをすべて再現するのはかなり難しいです。
そこで必要になるのが、音源やSEの作成です。
曲の頭に入る印象的な音。
曲間をつなぐための音。
生演奏だけでは足りない部分を補う音。
場合によっては、クリック付きの練習音源。
そういったものをどう作るかも、このプロジェクトの大きな課題になっています。
単に楽器を練習するだけではなく、ライブ全体としてどう成立させるかを考えなければいけない。
そこが、今回のYOASOBIプロジェクトの難しさであり、面白さでもあります。
ギターとキーボードのような、いわゆる上物のパートは、原曲に入っているたくさんの音をどう整理するかが大きな課題になります。
ピアノ、シンセ、細かいフレーズ、効果音のような音。原曲には本当に多くの音が重なっています。
それを全部そのまま再現することはできません。
かといって、削りすぎるとYOASOBIらしさが薄くなってしまいます。
どこを弾くのか。
どこを音源に任せるのか。
どこを思い切って省略するのか。
この判断がとても難しいです。
そして、ドラムとベースもかなり重要です。
YOASOBIの曲は、勢いだけで押し切れるタイプの曲ではありません。
テンポが速く、細かいキメも多く、ベースラインもよく動きます。
リズム隊が少し不安定になると、曲全体が一気に崩れてしまう。
逆に言えば、ドラムとベースがしっかり土台を作ることで、複雑な曲でもバンドとして形が見えてくるのだと思います。
さらにボーカルも本当に大変です。
メロディーの動きが細かく、言葉数も多い。
しかも、ただ高い音を出せばいいというものではなく、リズムにきっちり乗りながら、細かい言葉を歌い切る必要があります。
横で聴いていても、息継ぎの場所さえ難しそうだと感じます。
つまり、YOASOBIの曲は「誰か一人が頑張れば成立する」という音楽ではありません。
キーボードは、多くの音色やフレーズをどう担当するかが難しい。
ドラムとベースは、速いテンポと細かいキメを支える必要がある。
ボーカルは、細かいメロディーと言葉数の多さを歌い切らなければいけない。
結果的に、すべてのパートにそれぞれ違った難しさがある音楽なのだと思います。
プロのライブ現場であれば、クリックやイヤーモニター、同期音源などを使いながら、全員が同じ時間軸を共有して演奏している部分もあると思います。
もちろん、私たちがそこまで本格的な環境で再現するわけではありません。
だからこそ、バンドとしてどう形にするのかを考える必要があります。
完全再現を目指すのではなく、5人で演奏する形に置き換える。
必要な音は補い、削るところは削る。そのうえで、YOASOBIらしいスピード感や緊張感をどう残すか。
ここが今回の大きなテーマになりそうです。
今回の練習で、全5曲の全体像は見えてきました。
ただ、完成にはまだまだ遠いです。
楽器の練習はもちろんですが、音色の整理、リズムの合わせ方、ボーカルの入り方、曲の頭や曲間に使うSE音源、足りない音を補うための音源作成など、考えることはたくさんあります。
でも、前回までの「まず始めてみる」という段階から、少しずつ「どう形にしていくか」という段階に入ってきたように感じます。
簡単ではありません。
むしろ、想像していた以上に難しいです。でも、だからこそ面白い!
YOASOBIプロジェクトは、ここからが本当のスタートなのかもしれません。
