『バンドでよく起こる“考えすぎ問題”』

さいたま~都内を中心に、バンド形式のコピー・セッションやライブイベントを開催するコミュニティ「ライブワゴンミュージック」です。

バンドをやっていると、ある時ふと気づくことがあります。
それは、演奏経験の少ないバンドほど、音楽そのものよりも「準備」や「完成度」についての話し合い、こだわりが増えていくことがある、ということです。

例えば、「今日は声があまり出ないからやめておこうかな」とか、「まだ上手く弾けないからライブは辞退した方がいいかもしれない」といった言葉を耳にすることがあります。
とても真面目で誠実な考え方ですし、周りに迷惑をかけたくないという気持ちから出てくる言葉だと思います。

ただ、長くバンドをやってきた人たちを見ていると、少し違う考え方をしていることが多いように感じます。

経験のある人ほど、「まあ大丈夫でしょう」「とりあえずやってみよう」と比較的あっさりステージに立ちます。
それは決して適当だからではありません。上手いからというわけでもない。ライブというものが、そもそも完璧な状態でできるものではないと知っているからです。

実際のライブでは、多少のミスは普通に起こります。
それでも演奏は続いていきますし、お客さんはそれを含めてライブを楽しんでいます。
むしろ大事なのは、演奏を止めないことや、その場の空気の中で音を出し続けることだったりします。

もう一つ、初心者のバンドでよく見かけるのが、練習後の話し合いが長くなることです。
「ここはどうする?」「もっとこうした方がいいのでは?」と、真剣に考えるからこそ議論も増えていきます。

ただ、少し厳しい言い方をすると、音楽は話し合いで上手くなるものではありません。
実際に音を出す時間や、本番の空気の中で得る経験の方が、ずっと大きく影響します。

スタジオを出たあとも演奏の話を延々と続けたり、ライブのあとに細かい反省を積み重ねたりするよりも、「まあ今日はこんな感じだったね」と言って帰るくらいのバンドの方が、結果として長く続いていることも多いものです。

もちろん、深く考えること自体が悪いわけではありません。
真面目に音楽に向き合っているからこそ、悩んだり、より良くしようと考えたりするのだと思います。

ただ、ときどき思うのです。
もしかすると、音楽を必要以上に難しくしているのは、自分たち自身なのかもしれない、と。

音楽は、完璧に仕上げてからステージに立つものではありません。
ステージに立ちながら、少しずつ形になっていくものです。

少しくらいミスがあってもいいのです。
思い通りにいかない日があってもいいのです。

それでも音を出して、メンバーと一緒に演奏する。
その経験の積み重ねが、バンドというものを作っていくのだと思います。

だからときには、少し肩の力を抜いて、「まあ大丈夫でしょう」とステージに立つくらいでちょうどいいのかもしれません。

音楽は本来、そこまで難しく考えるものではないはずです。