『TLCがつくりたい― ステージと客席が循環する場所』

さいたま~都内を中心に、バンド形式のコピー・セッションやライブイベントを開催するコミュニティ「ライブワゴンミュージック」です。

大塚で定期的に行うイベント、TLC(タイニー・ライブ・コンサート)を企画するうえで、いつも考えていることがあります。

一般的なライブハウスの対バン形式では、それぞれのバンドが持ち時間を演奏し、自分たちのお客様が来て、終わったら帰るという流れが多くなります。これはひとつの完成されたスタイルですし、否定するものではありません。ただ、イベント全体としての一体感は生まれにくい構造でもあります。

自分の出番が目的になり、他のバンドにはあまり関心が向かない。お客様も「知り合いのバンド」を見に来る。その構図の中から、コミュニティとしての循環が自然に生まれるわけはありません。

自分が演奏し、次は客席で誰かの演奏を楽しみ、また別の機会にはその人がステージに立つ。見る側と演奏する側がゆるやかに入れ替わる関係ができてはじめて、循環は生まれます。仕組みが違えば、結果も違うはずです。

中には、自分たちのファンを持ち、集客しながら活動しているバンドもあります。それは素晴らしいことです。ただ、以前の自分もそうでしたが、楽しい反面、正直なところツラさもあります。毎回の集客のプレッシャー、動員数の比較、ノルマの負担、来てくれる人への気遣い。特にコピーバンドでは、純粋な意味での新規集客はほぼ不可能に近いのが現実です。オリジナルでも難しいのに、コピーで安定的に動員するのは現実的にはハードルが高い。

だからこそ、TLCでは別の形を目指しています。特定のバンドのファンだけで成り立つイベントではなく、コミュニティ全体で支え合う形。出演者も観客も、ゆるやかにつながっている状態です。

今日は演奏する側、次回は客席で応援する側。また別の機会には同じステージに立つかもしれない。そんな関係性があれば、集客は義務やプレッシャーではなく、応援という形に近づいていくはずです。

TLCは単なる発表の場ではなく、演奏の場であり、再会の場であり、刺激を受ける場であり、次の挑戦が生まれる場でもあります。そして何より、大人が音楽を続けるための居場所であってほしいと思っています。

対バンの緊張感とは少し違う。でも決してぬるいわけではない。大きなコミュニティの中で、見る・演奏するが循環するライブ。その形を模索しながら、TLCを続けています。まだ完成形ではありませんが、自分たちの客を呼ばなければ成立しないライブから少し自由になれる形を、これからも探っていきたいと考えています。