第一回タイニーミュージックコンサートを終えての考察

さいたま~都内を中心に、バンド形式のコピー・セッションやライブイベントを開催するコミュニティ「ライブワゴンミュージック」です。

第一回タイニーミュージックコンサート(TMC)が無事に終了しました。
参加者による素晴らしい演奏はもちろんのこと、お席の譲り合いなど皆さんのご協力、そしてお店の温かい対応もあって、音楽を楽しむ最高の時間となりました。

ただのブッキングライブであれば「めでたしめでたし」で終わるところですが、今回はTMCならではの特色を振り返りながら、今後に向けた考察をしてみたいと思います。

「イベントのためにバンドを組む」というTMCのスタイル

TMCの大きな特徴として、既存バンドの参加だけではなく「このイベントのためにバンドを結成し参加する」というスタイルがあります。
今回の5月ステージでは、3組がこのスタイルで出演してくれました。

その中でも「大宮ポリス」は、最高の事例であり、同時に例外的な存在でもあります。
あくまで私見ですが、あのバンドの完成度は、さまざまな“奇跡的な偶然”が重なって実現したものだと思っています。

・「ポリスを演奏したい!」という情熱を持った3人が、偶然にも出会った
・ポリスを演奏するためのスキルを全員が兼ね備えていた
・大人としてお互いを尊重する姿勢があった
・本番までにある程度練習する時間を確保できた

これらの条件がすべて揃うのは、まさに奇跡に近く、私が理想として思い描いていたTMCのひとつの完成形だったと感じています。

とはいえ、すべてのバンドがこの形を目指す必要はない

では、「大宮ポリスのような完成度をすべてのバンドに求めるか?」と言われると、それは現実的ではないと考えています。
むしろ、今回出演した「151A」や「センチメンタルじゃーにー」のような形こそ、TMCのスタンダードであるべきではないかと思います。

演奏力にバラつきがあったり、メンバー間でモチベーションの違いがあったり、練習時間の確保が難しかったり——そういった状況はごく自然なことであり、それこそがリアルな期間限定バンドの姿だと思います。

TMCは、そういった「不完全さ」を受け入れながら、それぞれの参加者が楽しめる場として運営していくことが大切だと感じました。

セッションでもなく、単なるブッキングでもない “第三の場” として

そもそもTMCを始めた理由は、セッションや普通のブッキングライブでは満たせないニーズを形にしたかったからです。

  • セッションだけでは物足りない
  • 人前でしっかり演奏してみたい
  • 好きな曲を数曲じっくり深掘りしたい
  • 自分もバンド演奏に挑戦してみたい

そういった思いを持つ人たちが、実体験できる場所。
それがTMCであり、だからこそ「完成度の高いバンドだけが並ぶイベント」になってしまっては、本来の目的から外れてしまいます。

今回のように、大宮ポリスのような完成度の高いバンドと、チャレンジ中のバンドが混在しているイベントこそが、TMCの理想的な形ではないかと改めて感じました。出演者のバランスは、今後も意識していきたいポイントですね。

以上、少し長くなってしまいましたが、第一回を終えての率直な感想と今後に向けた考察でした。
ご参加いただいた皆さま、本当にありがとうございました!