『音楽に境界線はいらない、バンドとともに変わる自分の視点』
さいたま~都内を中心に、バンド形式のコピー・セッションやライブイベントを開催するコミュニティ「ライブワゴンミュージック」です。
ここ数年でしょうか。
自分にとって、バンド演奏で「どんなジャンル・どんな音楽をやるか」は、あまり重要ではなくなりました。
一般的には「好きな音楽やアーティストをバンドで演奏したい」と考えることが多いと思いますが、私の場合、テクノやハウスといったエレクトロ系の音楽に関心が移った頃から、バンドに対する意識が変わってきたように感じています。
特定の曲を演奏する楽しさよりも、いくつかの異なる楽器が集まってひとつのサウンドを生み出す、という行為そのものに面白みを感じるようになり、ジャンルへのこだわりが薄れていきました。
もちろん、その背景にはギターやベースで幅広いジャンルの音楽を演奏してきた経験や、特に嫌いな音楽・ジャンルがないということもあるかもしれません。
普段のセッションイベントでも、演奏の上手い・下手を気にする方は多いですが、私にとってはそこはあまり重要ではありません。
縁あって集まったメンバーで、一曲を共同で作り上げる(演奏する)行為そのものに価値を感じています。
ジャンルや技量に関係なく、その瞬間を共有し、楽しみ、心に残る体験になったかどうか――
それこそが、自分の音楽活動に最も大切なことなのです。
自身のバンド活動においても、「何を演奏するか」よりも「どんなテーマで演奏するか」が自分にとって重要になっています。
たとえば現在活動しているバンドのひとつでは、「映画音楽をトリオで演奏する」というテーマを掲げています。当然3人の演奏では限界がありますが、安易にアレンジするのではなく、できるだけ原曲の雰囲気に寄せ、バンドとしてストーリー性やテーマ性を持たせることを意識しています。メンバーを増やせばできることを、あえて3人でやる事の面白さ。
限られた人数、限られた音数の中で、どこまで表現できるか。
その制約があるからこそ、一音一音に対する意識も高まり、演奏そのものに緊張感や創意工夫が生まれます。
そうしたアプローチが、今の自分にとっては新鮮であり、バンドという形態の面白さを改めて感じさせてくれています。
自分にとってバンドとは”何をやるか”ではなく”どう楽しむか”なのです。